ニュースリリース(マスコミの方へ)仮想空間で医療触診

病気の早期発見のために重要な医師による患者の「触診」訓練などを行うため、福岡工業大学情報工学部の利光研究室では仮想空間上に人体や症例の固有情報を反映した患者の3Dモデルを作る研究を行っています。研究が目指すのは、仮想空間上の3Dモデルを力覚伝達装置で触って確認できる「VR触診訓練システム」の開発。患者側のリスクや負担を最低限に抑えつつ、実際の患者を再現した3Dモデルを何時でも触って確かめられることで、繊細な感覚の会得が重要である触診の技術について経験の浅い若手医師も技術アップを目指せます。システムが完成すれば僻地医療のレベル向上や新たな手術シミュレーションの確立にもつなげることが出来ます。また、効率的な診断が可能になることでこれまで見逃されていた病気の発見につながるかもしれません。医療の未来を新技術で作る、利光研究室の研究にぜひ御着目ください。

 

人体の情報を再現した3Dモデル

利光研究室では、流体を複数の粒子の集合で表す「粒子法」を用いて、人体を点の集合としてモデル化。マルチスライスCT画像から作る3D点群で患者の形状を再現。さらに超音波を用いて組織の硬さ分布を診断する装置からのデータを反映し、患者の患部の硬さも再現します。現在は、システムを通じてがんのリンパ節転移を見極めるために、人体の頭頚部モデルのデータ構築を目指して研究を進めています。
「点の集合」として人体をとらえることで、押したり、触ったりして生じる変化もそれぞれの点の位置関係変化でとらえることが出来ます。(青が皮膚、白が骨の粒子。赤い部分が押した部分)

研究の背景、ポイント

早期発見が重要な乳がんや、がんの他部位への転移のきっかけになるリンパ節転移などの発見について、触診は効果の高い診断技術です。しかし、「触診」の精度は医師によってばらつきがあるのが現状です。手先の繊細な感覚の会得が必要になりますが、現在の医療現場で若手の医師は患者側のリスク(触診による症状悪化など)への懸念から、訓練の機会には恵まれ難いのが実情です。仮想空間上の患者モデルの触診であれば、患者のリスクや負担は最低限度で済みます。また、データベース上に蓄積された患者データの感覚をなぞることで、若手医師も過去の様々なケースを体感しながら技術を会得することも可能になります。

研究の将来性、可能性

利光教授の研究を応用すれば、コンピューターの進化と共に人体のあらゆる部位をデータ化して再現できます。実際に病理部切除の効果を計算して予測できる手術前のシミュレーションや、患者の情報を3Dモデル化したデータベースを構築できる可能性があります。最新システムで医療の形を変えるかもしれない利光教授の研究には、文科省の科学研究費助成も配分され、注目されています。
科研費:粒子法によるバーチャルリアリティ医療触診訓練システムの開発 (2018-04-01~2021-03-31)

 

利光 和彦(としみつ・かずひこ)教授

  • 情報工学部 情報システム工学科

 

研究室ウェブサイト:http://www.fit.ac.jp/~toshimitsu/
TEL:092-606-4914

研究キーワード:
計算医工学,流体機械,航空宇宙推進工学,熱流体工学

 

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